2012年2月25日土曜日

制限と洗練

ものをつくるときは、ある程度制限を設けるとうまくいく。コスト、納期、ターゲット、素材、製造方法。制限がなければ何もつくれない。多くの制限を最大限明確化し、できることできないことを整理することはデザインの洗練に直結する。

drawrの魅力

drawrはインターネット上で絵が描けるサービス。フォトショやSAIと比べ機能は少ない。アートボードのサイズも決められている。

結果として、手数の少ない、しかし洗練された素晴らしい作品が数多く生まれている。

drawrを使って強く感じたのは即興性の高さ。制作時とネット公開後の見え方が全く同じ。描いて、視て、壊して、描いてを途切れなく反復できる。脳内のイメージを画面に照射する感覚を味わった。

同じ感覚でプロダクトデザインがしたい。今プロダクトデザインの工程は複雑だ。特に「量産」のため、形状はこうであるべき、納期が縮まったのでこの工程は省く。そのうちに最初に描かれたイメージと完成品はかけ離れる。

思うにオーディオのデザインはもっと彫刻的であっていい。完成品をいちど壊し、高め、また壊す、繰り返しの中でイメージに近付けていく。洗練する。そういう作り方をしたい。


プロダクトデザインという職能の歴史は浅い。1920年代アメリカに現れた。それまでは技術者が外観デザイン設計を兼ねていた。日本では戦後経済成長を経て現在のインハウスデザイン・スタイルが整備された。50年経った。ツールはマーカーからデジタルへ、デジタルから3D入出力技術へとまさに切り替わる。その進化は目覚ましいが長い美術の歴史なら未だ洞窟に壁画描いてるくらいだ。


光る杖を振れば魔法のようにイメージ通りのモノが現れる未来よ!すぐそこに。


おしまい。

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