2012年6月4日月曜日


どうでもいいこと書くよ

プロダクトデザインってなんか格好いいし身近な美術って感じですごく好きだけど多摩美のダクトは全然好きになれなかったな。においが。

だいたいすきなものって小学校くらいの風景っていうでしょ。僕はずっと油絵具のしみついた薄暗いアトリエにいたから、いまだに絵の具のにおいや油で汚れた棚とかカルトンが一番安心するんだ。

会社の古い資料には手描きのレンダリングやクレイモデルの写真なんかが残っていて、当時の息づかいを感じるんだ。そういうの大好き。

絵画棟に流れる独特の気配が好き。服を一枚脱ぎ捨てたような繊細さが好き。画面に向かうまっすぐな眼差しが好きだった。

僕、美大生ってみんなそうなんだと思ってた。デザイナーもみんなあの空気が好きなんだと思っていたよ。

でも全然ちがった。それが分かって寂しくなったよ。ほんとうに理解し合えたのはたったひとりだった。その人もどっか遠くへ行ってしまったし。

そういう人間はプロダクトデザイナーとしてなにが出来るのだろう。っていうかプロダクトデザイナーにもなりきれる気がしない。新しいものはたくさん得たけど、原風景を見失えばいずれ、きっと何者でもなくなるね。


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